健康教室

高脂血症

私たちの血液の中には多くの脂質成分が含まれています。そのなかでもコレステロールもしくは中性脂肪(トリグリセライドとも呼びます)が正常値より増えている場合を高脂血症と呼びます。血液検査での基準値はコレステロールが220 mg/dl以下、中性脂肪が150 mg/dl以下です。 コレステロールが増加すると血管特に動脈の内皮と呼ばれる層にコレステロールが沈着して血管の内腔を狭くしたり、ひどいときには血管が詰まってしまうことがあります。これを動脈硬化といいます。心臓に生じれば狭心症や心筋梗塞を起こしますし、脳に生じれば脳梗塞になります。予防にはコレステロールを上げない生活習慣を身につけることです。コレステロールを上げる食品、卵黄(卵、マヨネーズ、バター、ケーキ)、肉(牛、豚、羊、鶏)、魚卵(いくら、ししゃも)を避け、コレステロールを下げる食品、野菜、大豆食品、魚を召し上がって下さい。運動も大切で一日45分の少し早足の散歩を励行して下さい(心臓の悪い方は医師に運動処方箋を書いて貰った方が良いでしょう)。太っている方は体重を落とすため食事カロリーを減らす必要があります。タバコも好ましくありません。少量 のアルコール(日本酒1合、ビール500 cc、ワインコップ1杯のいずれか)はかえって良いです。  中性脂肪が増えるとやはり動脈硬化を起こしやすくしますが、コレステロールほど悪影響はありません。しかし中性脂肪が高い人は、しばしば善玉 コレステロールであるHDLコレステロールが低くなりますので要注意です。食事カロへらす、運動をする、飲酒を控えるといった生活改善が必要です。 これら、ご自身でできる事を行っても、コレステロールや中性脂肪が下がらないときは、お薬を飲む必要があります。医師の診断のもと、適切な投薬を受けて下さい。 近年の高脂血症のお薬は効果が良く、副作用のほとんどないものが多いので医師の管理の元で内服する分には安心です。民間療法的な健康食品の中には益なく、かえって有害なものもありますので人から勧められたからと言って安易に使用しないのが賢明です。