健康教室

インフルエンザ

インフルエンザについて 平成20年冬のワクチンウイルス株はA/ブリスベン/59/2007(H1N1)、A/ウルグアイ/716/2007(H3N2)、B/フロリダ/4/2006です(各型の最後の数字は流行した年を示します)。ちなみにHはヘムアグルチニン、Nはノイラミニダーゼというウイルス表面蛋白の型分類を示しこの組み合わせでA型の大分類をあらわしています。A/に続く文字が小分類を表します。予防接種はこの型になっています。ただし予防接種は春先から夏に来る冬の流行株を予想して作りますので、実際の流行株を違う年があります。インフルエンザは風邪の一種ですがインフルエンザウイルスによって起こるものだけをさします。冬にはやる風邪すべてがインフルエンザではありません。症状は高熱、筋肉痛、関節痛、喉の痛み、咳、たん、頭痛、食欲不振などです。特に高熱と筋肉・関節痛が特徴的です。インフルエンザで怖いのは乳幼児のインフルエンザ脳症と老人の肺炎です。これらの人々はハイリスクグループとして予防接種を受けることがすすめられています。完全に発症を予防できるとは限りませんが、昨年、予防接種をうけた子供からの脳症の発症は少なかったといわれています。以前はインフルエンザの治療は対症療法だけでしたが、最近ではウイルスそのものに効ある薬剤が使われるようになっています。当院でもタミフル、リレンザ、麻黄湯を用いています。ともにA型とB型とに効果があります。タミフルには行動異常が投与直後に起こることが報告されています。子供や若い人が服用する時は周りの人が見守る必要があります。リレンザは粉末を口から吸入するタイプのくすりですが2歳未満の子供さんでは使いにくい面があります。いずれにせよ予防が大切で外出からもどれば手洗いとうがいをし(緑茶や紅茶がよいといわれています)、日頃の栄養やビタミンを充分とり、睡眠不足にならないようにすることが大切です。

 

最近、鳥インフルエンザが治療が困難で死亡率が高いため注目されています。日本国内での発症は平成21年5月現在認めませんが、今後注意が必要です。H5N1という型を示します。ワクチンは今のところ無く、一般的な予防しかないのが現状です。

 

ブタ新型インフルエンザについて

 

平成21年5月、メキシコで発生した新型インフルエンザがついに関西を中心に流行しました。強い感染力をもちますが、毒性は弱いといわれています。高校生を中心に流行しています。その理由は1957年より以前の生まれの方はある程度の頻度で免疫力があるからのようです(3人に1人ほど)。手洗い、うがい、マスクをしましょう。万一かかってもタミフル、リレンザが有効です。発熱したら、発熱相談センターへ電話するか主治医に電話で指示を仰ぎましょう。いきなり来院すると糖尿病や心臓病の方などかかると重症化するほかの患者さんに感染する機会を増やしますので必ずお守りください。