医療に関する一口メモ

不整脈について

不整脈は(1)脈が不規則になる(2)脈が速くなる(3)脈がゆっくりになるの3種類があります。

 

(1)脈が不規則になる

心房由来の不整脈としては心房細動,心房粗動,上室性期外収縮などがあります。脈の速い心房細動と粗動は治療を要します。また心房細動では血栓の塞栓症を予防するためにアスピリンやワーファリンを服用します。心房細動の原因に甲状腺機能亢進症が隠れている場合があります。心室性期外収縮は一般には心配いりませんが,狭心症,心筋梗塞,心筋症などの基礎的心疾患があるときは危険です。

(2)脈が速くなる
上室性頻拍症,心室性頻拍症,心房粗動,心房細動があり一刻も早く治療を要します。内服薬,注射薬,カテーテルアブレーションなどの治療があります。一般的に1分間に120までの脈は洞性頻脈と呼ばれ,精神的興奮,心配,運動などによるもので心配いりません。しかし原因を医師に見つけていただく必要があります。

(3)脈がゆっくりになる
完全房室ブロックになると一分間の脈拍数が40以下になり,ふらつき,めまい,息切れが起こりひどいときは失神します。ペースメーカー埋め込み手術を要します。スポーツマンや高血圧の人は徐脈になりますがは一般には脈をあげる治療を要しません。甲状腺機能低下症の人も徐脈になり,甲状腺ホルモンの服用を要します。

(4)脈が触れない
心室細動と心停止があります。心室細動では1秒でも早く胸骨殴打の後,心臓マッサージを開始しなければ脳死,死亡にいたります。病院搬送後は直流カウンターショックによる除細動を行います。